◆アヴァター・カンダム（化身に関わる特殊な予言）

女神パールヴァティはシヴァ神にこのように懇願した・・・
あなたは永遠の恵みである。非常に偉大な奇跡で、あなたから探求の意思を抱くことが始まり、すべての問いの答えとあらゆる人を誘い、そして最後にあなたは全ての哲学的教義が捜し求める究極の実態としての姿を聖なる人のみ現す。おお、神よ！あなたは様々な聖書が釈義する全てのメッセージの中に暗示された意義であり、幻覚や暗闇の泥沼から人間を遠ざける光の道しるべである。またあなたは善悪の中立で、全ての真実を越えた真実の真理である。あなたの愛する配偶者である私は誠意を持って我々の祝福を受けた、そして我々の愛する息子（シュリ・コージ）が過去に一度化身となってこの地球に降りた際に生まれたという神の神話を詳細に語ってくださることを、ここに懇請します。

◆シヴァ神からの祝福の返事

愛するデヴィよ、私はあなたの祈りにとても喜んでいる。我々の愛する、そして祝福を受けたこの息子が過去に一度化身となった神の神話の詳細を語ろう。ラグナは蟹座に、ラシーは山羊座にある。化身ではあるが俗人の姿をした彼は、38歳でこの聖なる文書に触れる。
今から2500年も昔、彼は東の国のシャカ族と呼ばれる国の王の息子、シッダルタとしてこの世に生を受けた。彼はいわゆる銀のスプーンをくわえたまま（生まれながらに何不自由ない大金持ちの運命に生まれたという意味）シッダルタという王子としてこの世に生まれ、王によって大切に育てられた。彼は乗馬やアーチェリーといった数々の芸術を教えられた。しかし彼はどのような理由があれ、王宮から出ることを許されなかった。それゆえ、彼は人間の誕生や一般の人々の苦悩を知る術がなかった。そして王子は美しい王女と結婚させられ、王女との間に息子を一人授かった。

ある日、彼は何も知らずに王宮の外に出て、死体や老人、病人を目撃した。彼は王宮に帰るとそこにいる全ての者に死とは何か、老齢とは何か、病とは何かを問うた。彼の問いにきちんと答えられる者はおらず、皆王子を納得させようと当たり障りのないことを言い始めた。それから数日後、彼は死や誕生、病、老齢、そして人間が経験する全ての苦悩の原因は何なのかと嘆き始めた。また、貧困や悲しみ、憎しみ、飢え、疲労、問題、身体的障害、そして殺人の理由について考え始めた。しかし王宮の中で答えを見つけることはできなかった。彼はついに王宮を出ることを決心し、実行した。

王宮を出て、美しい妻や天使のような子供と別れ、王宮での快適さや贅沢から離れて全ての疑問に対する答えを探すため、僧としてありとあらゆる場所を徒歩で放浪した。しかし、どこからも誰からも答えを得ることができなかった。数年の月日が流れ、彼は菩提樹（インドボダイジュ）の下でグナーナを得、全ての苦悩の原因の根は欲望にあることに気づいた。それ以来、彼はガウタマ・ブッタという名前で人々に精髄を説き始めた。これが、かつて彼がこの世に生を受けた際生まれた伝説のひとつである。

その後また、彼は全能の神によって化身となることを命ぜられ、あらゆる国のあらゆる場所で、あらゆる理由のために、またさらにこの化身後にも時間に制約があるが、全能の神によって、この地球で再び化身となるだろう。彼は全能の神の手中にある高貴な道具であり、神は望むといつでも、人間たちの過ちを修正するため、そしてブッタの教えを啓発するため、地球上そしておそらく他の惑星のいたるところで平和を維持するために、化身としてこの息子を再び地球に降ろすだろう。

彼は化身となっている今を普通の人として暮らしていた。しかし、彼は与えられた神聖な責任に気づいた後は、霊性について考え始めた。それ以来、彼は霊的訓練に没頭し、その中で神から力をいくつか与えられた。それ以上の特異な力を得るため彼は瞑想にふけり、そして現在、超越した瞑想を通してその他いくつかの霊的な訓練を絶えずに行っている。それは彼が法悦にひたり、望み通りに得意な霊的力を得るよう導くだろう。このような努力は全て功を奏し、彼は頂点の（ゼニス）に達するだろう。彼は望む限りこの地球上に存在し、門弟信者は彼の名のもと、そして彼がいなくなった後でも、人々に無私なる奉仕を続けるだろう。すでに彼の存在に気づいた人々は彼と神のために寺院を建立すべきである。そしてそこから新しい祈りが全世界へと広がる。そこに名を刻む人々は未来永劫、生まれ変わった後にさえ、数々の恩師を彼から受け取ることになるから。

◆地上に霊的文化を伝えた幾多の聖者たち

釈迦、キリスト、そしてコージという名で過去と現代を生きる、これら神の化身達とは、すなわち最高神がこの世界そのものを、神に帰融させるという目的のため、計画的に地上に降ろした者達である。彼らはそれぞれが、時と場所、そして東西の文化といった要素をバランスよく育み、最後にこの地球をひとつの世界とするよう、その役割を与えられた。そして、他の多くの文明でも同じ試みがなされたが、どうやらこの文明において、コージという名の化身をもって、その計画が成就させられる段階へきている。

彼は今もって、ようやくそれを自覚し始めた。彼は長く眠りについていた獅子が目を覚ますかのように、しかし、ようやく最近になってから自らの出所を、そしてこの地上で行うべき自らの宿命に気がつき始めた。おそまきながら、その計画が今、始まろうとしている。なぜなら今、彼以外にその目的を達するよう運命付けられた者は、この地上に誰一人としていないのだから、彼は勇気を持って本来地上に降りてきた目的を果たすべきである。